交通事故に遭ってしまうと事故直後等は目の前の対応に追われ弁護士へ相談するタイミングを失ってしまう事もあるかもしれません。相談するタイミングによっては手遅れになってしまうケースもあるので今日は交通事故トラブルを弁護士に相談するタイミングについて解説いたします。
監修:弁護士 菅原健 菅原・佐々木法律事務所代表
仙台弁護士会所属・古川東ロータリークラブ会員
仙台弁護士会国際委員会委員・日本弁護士連合会国際人権問題委員会委員
日本弁護士連合会中小企業の海外展開業務の法的支援に関するワーキンググループ委員(2017年3月まで)
交通事故トラブルの弁護士に相談するタイミングはいつがいい?
交通事故の弁護士への相談の時期については全てのケースで共通して言える事は「とにかく早期にご相談下さい」という事です。
治療の状況等により事故直後には弁護士に相談ができない場合もあるかもしれませんが、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
治療が終了していない時点では最終的な損害額を算出し、相手保険会社に請求することまではできませんが、治療期間などについて、相手保険会社とのやり取りが必要な場合もあります。
事故直後
交通事故直後、まずは治療に専念することが大切ですが、適切な補償を受けるためにもできるだけ早く弁護士へ相談することをおすすめします。
早く相談することで弁護士が事故の状況をより正確に把握することができます。
それにより、治療費や慰謝料などの損害賠償請求の手続きを適正に進めることが可能になります。
・後遺障害になる可能性の高い場合
・死亡事故の場合
・弁護士費用特約に加入している場合
治療中、入院中
治療が少し落ち着いた段階で弁護士に相談されるケースは多くあります。
交通事故により怪我を負い、後遺障害が残ってしまうケースも珍しくありません。
そのような場合、症状固定後に後遺障害の認定を申請しますが、申請に不備があると適正な等級を獲得できない場合もあります。
遅くとも後遺障害の申請前に弁護士に相談することをおすすめします。
認定された等級によって損害賠償金額は大きく変わります。
早めに弁護士に相談し適正な損害の賠償を得ましょう。
治療費を打ち切られた
交通事故の治療期間には、保険会社が設定する目安が存在します。
この目安となる治療期間を過ぎると、保険会社から治療費打ち切りの連絡が入ります。
しかし、 ケガの治療は個人差があり、 目安の期間内に完治するとは限りません。
また、 保険会社には、治療終了の判断能力も権限もありません。
治療期間について、被害者と保険会社の間でトラブルに発展するケースは少なくありません。
このような場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。
「D」は打撲1カ月、「M」はむち打ち3カ月、「K」は骨折6カ月の治療期間が目安という意味のようです。当然ですが、こうした期間はあくまで目安であり参考程度のものです。個別の障害について必要な治療期間は個別具体的な事情をもとに判断されます。
後遺障害認定の結果に納得できない
後遺障害認定の結果に納得できなかった場合は、その結果が適切だったのかどうかの確認をしてもらうためにも早めに弁護士に相談しましょう。
等級認定は損害賠償額の算定に大きな影響を及ぼします。
等級が1つ違うだけでも損害賠償の金額は大きく変わります。
不当な認定だった場合、本来受け取れるはずだった賠償金額から大幅にダウンしてしまいます。
等級が不当に低い場合、交通事故に精通した弁護士が異議の申立てをすることにより、認定結果が変わる可能性があります。
認定結果に不満がある場合は早めに弁護士に相談しましょう。
示談交渉中
治療・通院を終え症状固定となり、後遺障害についての結果がでた段階以降に損害額についての示談交渉が始まります。
スムーズに示談交渉が成立する場合もありますが、「提示された金額に納得ができない」「加害者が反省しているように見えない」「保険会社の対応が不誠実だ(不満がある)」など示談交渉が揉める場合もあります。
このような状況になってから、弁護士に相談することも可能ですが、弁護士は事故の状況から把握しなければならず、解決まで時間がかかることがあります。
早期によりよい解決を得るためには、症状固定前後や等級認定を受ける前にご相談いただくことをおすすめします。
早めにご相談いただくことで、適正な後遺障害等級の認定を受けるためのアドバイスが可能です。
交通事故の過失割合は、専門的な部分が多くあります。疑問を感じたら、すぐに弁護士に相談しましょう。示談成立前であれば、不利な条件を見直すよう交渉することは可能です。
調停や裁判まで発展した段階
示談交渉が決裂してしまい調停や裁判まで発展してしまう場合も少なくありません。調停や裁判が始まってから弁護士に相談しても、手遅れとは限りませんので、弁護士に相談することをおすすめします。
死亡事故の場合は、後遺障害の認定などが発生しないため、早期に損害賠償額の算定をすることができます。示談交渉に応じたい場合、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。なお、死亡事故に限りませんが、民事の損害賠償において示談が成立したことは、加害者についての刑事事件にも影響を及ぼします。
手遅れになってしまう相談するタイミングの事例
弁護士へ相談するタイミングは早い方が良い場合は多いですが、多少相談が遅くなっても大きな問題にならない場合も多くあります。しかし、以下のように、弁護士に相談しても手遅れな場合もあります。
示談成立後
一度示談が成立してしまうと、その後の示談の撤回は原則認められていません。内容を十分理解しないまま同意してしまった場合にトラブルになるケースが多いので、安易に示談書にサインや押印をしないことが大切です。納得できなかったり疑問に感じたりした場合はサインや押印をする前に弁護士に相談しましょう。
示談後に、示談時には想定していなかった後遺症が発生する場合があります。その場合は、 新たに損害賠償を請求することはできますが 、その後遺症が交通事故によって生じたものであることを証明する必要があり、その立証は困難な場合が多いと言えます。
損害賠償請求の時効完成後
物損についての損害賠償の時効期間は、事故の時から20年、または、損害および加害者を知った時から3年と定められています。
また、生命身体についての損害賠償については、事故の時から20年、または、 損害および加害者を知った時から5年です。
時効が成立すると損害の賠償が受けられなくなる可能性が極めて高くなりますので注意が必要です。
時効の更新や完成猶予などの制度もありますので、弁護士に相談しましょう。交通事故に詳しい弁護士の情報ページをご覧ください。
宮城県仙台市の交通事故後遺障害に関する無料相談なら弁護士法人菅原・佐々木法律事務所へ
交通事故の被害者になってしまったらすぐに弁護士に相談することが交通事故問題の早期解決に繋がります。加害者側の対応に不満があったり、後遺障害が残ったりするなど自分では解決できない状況になった場合は速やかに弁護士に相談しましょう。