弁護士・公認会計士の青山です。
民法について120年ぶりの大改正であり、最近、「債権法改正」として話題になっていますので、今回から債権法改正について取り上げたいと思います。
まず、2017年4月14日に衆議院を、5月26日に参議院をそれぞれ通過・成立し、6月2日に公布されました。
この改正法の施行日は、一部の規定を除き、2020年4月1日になりました。
改正内容としては、従来の判例が条文化された箇所も多く、事実上実務に影響がない分野もありますが、有力な学説を取り入れたこと等により実務にも影響がある分野もありますので、分野ごとに取り上げて行きたいと思います。
「債権法改正」として話題になっていますが、債権法のみならず民法総則の一部も改正されます。主な改正点は、以下のとおりです。
① 消滅時効
② 法定利率
③ 保証契約
④ 売買契約・請負契約・賃貸借契約 (特に解除、瑕疵担保責任)
⑤ 定型約款
この中で、⑤定型約款については、従来民法に規定がありませんでしたが、携帯電話の契約、電車の乗車等において約款が重要な役割を果たしており、裁判例も判断が分かれていたことから、民法において定型約款の規定が新設されました。
また、実務上、①消滅時効については、大きな影響が出ることが予想されます。加えて、③保証契約に関する改正については、特に賃貸借契約の保証において影響が大きくなるといわれています。
次回以降、上記①から⑤について、事例を交えながら、個別・具体的に取り上げていきたいと思います。
(文責:青山英樹)