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離婚について⑥(養育費その2)

こんにちは、弁護士の田中です。

 

さて、今回は、前回に引き続き、養育費についてご説明したいと思います。

前回は、養育費の決め方について簡単にお話ししました。基本的には、金額や支払方法について話し合いをし、当事者同士の話し合いでまとまらなければ、算定表を参考に決めていくという感じですね。

調停が不成立になった場合には、自動的に「審判」という手続に移行します。審判手続では、提出された資料等をもとに、裁判官が養育費の金額を決めることになります。

調停の場合は、当事者双方が納得しなければ、金額が決定することはありませんが、審判は、いくら当事者の一方(あるいは双方)が納得していなくても、裁判官が一方的に金額を決めます(審判で言い渡された金額に納得できない場合には、「即時抗告」という不服申立て手続もありますが、即時抗告に理由なしと判断されれば、審判で言い渡された内容で確定することになります)。

では、調停や審判で決められた養育費は、一切変更できないのかというと、そういうわけではありません。というのも、養育費の金額を決めるにあたって考慮された事情に変更があった場合には、当初取り決めた金額をそのまま維持すると不公平な結果になる可能性があります。そのため、いったん取り決めた養育費であっても、事情の変更などを理由に、そのときの状況にあった養育費に変更するよう求めることが認められています。

養育費は、その性質上、支払いが長期にわたることが多いため、事情の変更により、当初取り決めた金額が不相当になることはよくあります。分かりやすいのは、収入の変化です。養育費の算定表は、双方の収入が基準となりますので、基準となった収入に変化があれば、当然、算定表の金額にも影響します(例えば、養育費を支払っていた方が、リストラにあって無収入になった場合など)。

養育費の変更に関しては、養育費を受け取る側(多くは親権者)が再婚した場合にはどうなるのか、という質問をよく受けます。

養育費を受け取る側が再婚したからといって、養育費を支払う側が子の親である事実が変わるわけではありませんので、養育費の支払義務は続きます。

では、養育費を受け取る側が再婚したことを理由に、養育費の金額の変更(減額)を求めることはできないのでしょうか。この点については、そもそも再婚相手が、子供の面倒まで見てくれるのか、再婚相手に子供を養育する義務があるのかという問題と関連します。

すなわち、再婚相手が子供と養子縁組をすれば、再婚相手と子供との間に親子関係が生まれますので、再婚相手には、子供を養育する義務が生じます。したがって、再婚相手と子供が養子縁組をした事実は、養育費の減額を認める方向に働く事情といえます(再婚相手の経済力にもよりますが)。

一方で、再婚相手と子供が養子縁組をしなかった場合は、再婚相手と子供の間に親子関係は発生しませんし、再婚したという事実から、当然に子供を養育する義務が発生するものでもありません。したがって、再婚した事実のみを理由として、養育費の減額を求めることは難しいでしょう。

 

最後に、養育費は、支払いが長期化するという性質上、一度取り決めたとしても、途中から支払われなくなることが多いようです。したがって、養育費の取り決めをするにあたっては、途中から支払われなくなるリスクを想定した上で、どのような方法が好ましいのかを十分にご検討いただければと思います。

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