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離婚について③(離婚原因)

こんにちは、弁護士の田中です。

また暑さが戻ってきましたね。

ここ最近、仕事ばかりで、体を動かす機会が全くありませんでしたが、尊敬する先輩からゴルフクラブを譲っていただいたこともあり、合間を縫ってゴルフの打ちっぱなしで汗を流しています。運動不足解消とはいかないまでも、天気のいい日に身体を動かすのは気持ちがいいですね(まだまだボールに当てるのが精一杯ですが…)。

 

さて、今回からは、離婚の際に問題になりうる各事項(「離婚について①」をご参照ください)について、簡単に説明していきたいと思います。

最初に取り上げるのは、「離婚原因」です。

離婚原因は、民法770条1項1号ないし5号に規定されています。具体的な内容は、次のとおりです。

 

1 配偶者に不貞な行為があったとき(1号)

夫婦間には、貞操義務があり、これに違反する行為を離婚原因として定めたものです。「不貞な行為」が具体的にどのような行為を指すのかについては、学説でも争いがあるところですが、判例は、性的関係に限っているとの理解が一般的なようです。なお、異性との関係が「不貞な行為」(性的関係)にまで至っていなくても、「婚姻を継続し難い重大な事由」(5号)の判断に影響を与える可能性はあります。

2 配偶者から悪意で遺棄されたとき(2号)

夫婦間には、同居・協力・扶助義務(民法752条)があり、これらに違反する行為を離婚原因として定めたものです。「悪意」の意味については、少なくとも、夫婦関係の断絶を容認するような認識が必要とされており、そうした認識で、配偶者を置き去りにして失踪してしまったり、わざと生活費を渡さないといった行為が「悪意で遺棄」にあたるといえます。ただし、悪意で遺棄されるに至った経緯として、遺棄された側に原因があるような場合には、悪意の遺棄に該当しないと判断されることもあります(最判昭39・9・17)。

3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき(3号)

読んで字のごとくですが、配偶者が行方不明になるなどし、生死すら明らかでない状態が三年以上継続した場合を、離婚原因としたものです。生死不明になった理由は問いません。

4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(4号)

「強度の精神病」としては、統合失調症や躁うつ病などが挙げられます。「回復の見込みがない」ことが必要ですので、ある程度長期にわたって医師の診察を受け、専門的な見地からみて、回復の見込みがないとの判断が必要になるでしょう。また、判例は、配偶者が不治の精神病にかかったからといって、直ちに離婚が認められるとは考えておらず、離婚を請求する者が、配偶者の療養にどのような協力をしてきたか、離婚後の療養環境はどのようになっているかなども含めて、離婚請求を認容するかどうか判断しているようです(最判昭33・7・25、最判昭45・11・24)。

5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(5号)

「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、婚姻関係が破綻し、回復の見込みがないことをいいます。要件が明確に定められている1号ないし4号と異なり、離婚原因として主張すべき内容に限定はなく、様々な事情が考慮されることになります。例えば、不貞行為にまで至っていないような異性関係、暴言・暴力、性格の不一致、勤労意欲の欠如、浪費、異常な性的嗜好などが挙げられます(これらの事情があれば離婚が認められるというわけではなく、重要なのは、婚姻関係が破綻し、回復の見込みがない状態に至っているかどうかです)。

 

なお、離婚協議や調停において、離婚原因の有無が争いになることは少なくありませんが、実際には、調停での話し合いの中で、双方納得の上、離婚に合意することも多いように思います。離婚を検討されている方は、「離婚原因」の有無をあまり気にせずに、まずは周囲に相談してみてはいかがでしょうか。離婚という性質上、身近な人に相談しにくいという方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような方は、近くの法律事務所に相談してみてください。きっと力になってくれるはずです(弁護士は守秘義務がありますので、相談内容が漏れる心配もありませんし)。

 

弁護士 田中俊男

 

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